「これって、食べれるの?」
「私に歌わさせてください」
なんか変だなと思ったアナタは、日本語の達人かもしれません。
前者は「ら抜き言葉」、後者は「さ入れ言葉」であり、日本語の「乱れ」の代表格とされています。
では、次の一文はどうでしょう?
「おいしくいただけます」
「ご乗車できません」
これらについてもそれぞれ以下が正しいとされています。
「おいしく召し上がれます」
「ご乗車になれません」
たしかにその通りかもしれませんが、それほどこだわらなくていいという意見も…。
ではいったい、世間一般では日本語に対してどの程度関心を持っているのでしょうか?
参考になるのが、文化庁が毎年行っている「国語に対する世論調査」です。
調査報告書(平成29年度)によると
「国語について、どの程度関心があるか」の質問に対し
- ・非常に関心がある
- ・ある程度関心がある
これらを合わせて7割台半ばが「関心がある」と答えています。
「日本語を大切にしているか」の質問には
- ・大切にしていると思う
- ・余り意識したことはないが考えてみれば大切にしていると思う
この合計として6割台半ばが「大切にしている」と回答しています。
多くの方が国語に関心があり、大切にしている一方で、年々「乱れ」がひどくなるのは不思議ですね。
一方、日本語の「乱れ」という考え方自体に違和感があるとの意見もあります。
「言語は変化するのが当然であり、乱れでなく変化である」というものです。
冒頭の「食べれる」についても日本語の「変化」として肯定的に捉えている人もいます。
「食べれる」は可能を、「食べられる」は受け身や尊敬を表すように、細分化したというものです。
これはもはや「進化」と呼ぶべきかもしれません。
これを機に、アナタもふだん使っている日本語を見つめ直してみてはいかがでしょう?
意外な「変化」や「進化」を発見できるかもしれませんよ!
※参考資料:平成29年度「国語に対する世論調査」の結果について
http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/1409468.html