間も無く平成最後の2月です。我が家は息子が中学3年生で、年を開けてから2つの私学の出願をしました。両校ともWEB出願。最近はWEB出願ができる高校が大多数のようですね。中にはWEB出願のみの高校もあるようです。息子が出願した2つの高校のうちひとつはWEBのみで完全に出願が終了する学校で、もう一校はWEB出願後、所定の用紙をプリントアウトして捺印して郵送もしくは当該高校まで出願期間中に持参するという形式。なんとも中途半端なシステムと思ってたんですが、実際出願して交換に出願書類受領証なるペーパーを受け取ると、なんだかほっとした自分がありますね。メールのみの出願完了通知では一抹の不安が残る昭和生まれの父親なんです。

さて「チラシの作り方」第6回目です。前回は5W1HのWHATの部分、「何を」でした。チラシを作っているこちら側の人間からすると5W1Hのすべてが大事なことと思えるけれども、チラシを受け取る側の人間にとっては、「何をするか」こそが最も知りたいこと。だから紙面の上部の大きな部分をWHATに割きましょうというような内容の話を書きました。広告は告知とは違い、対象はあくまでも一見(いちげん)さんになりますので、イベント(もしくは商品)の魅力を簡潔に伝える必要があります。情報過多の時代ですから、お客様がひとつの情報に割ける時間はごくごく限られたものなので、魅力を瞬時に伝える必要があります。だから一番注力をすべきは、当然のことですがWHATの部分、アイキャッチの部分になります。

それでは今回はこれからWHAT以外の4W1Hの話を進めましょう。WHATでイベントの内容に興味を持った方に、次に伝えるべき情報、それはWHEN(いつ)です。数日後なのか数週間後なのか、日曜日なのか平日なのか、自分のスケジュールと照らして参加できるか否かがとても気になりますね。WHENの次がWHERE(どこで)です。WHENとWHEREは共に分かち難く重要ですが、自分の余暇に日程が合ってこそのイベント参加ですから、あくまでもWHEN>WHEREの順に重要度が高いといえます。会場に関しては、どう考えても遠方のイベントのチラシが配布されている可能性も少ないので、日程が合ってから得る情報で問題ないと考えてよいですね。さらに細かく考えていくとWHENの中でも、日付>時刻の順で重要度が高くなります。それではサンプルとして情報の優先度に合わせて文字の大きさに変化をつけたものをご覧ください。

どうでしょう。左の文に比べて右の方がぐっと伝わりやすくなっているのではないでしょうか。一般の方がされているチラシデザインでもこのように文字の大小をつけておられるのを見かけますが、個人的には大きさの差が小さすぎると思っています。思いっきり極端に変化を付けてください。そして上のサンプルで是非注目していただきたいのは、一番上の「ちびっこ集まれ!」の一行です。これは、イベントの内容を伝える大事な部分WHATに付随する情報であり、このイベントが子供向きのイベントであることを伝えている大事な部分なのですが、意外と小さな文字なのにお気づきでしょうか。この行は最大の文字「バザー」に付随しているので、「バザー」に注目した時点で同時に飛び込んでくる情報です。だからこの行は小さくても伝わります。この行は大事な情報だと考えて文字を大きくし過ぎてしまうと逆に「バザー」の文字の印象が薄れて逆効果になってしまいます。また時刻の行「午前10時〜午後3時」も同じ理由から小さくなります。イベントタイトルについで重要な情報、日付に目が向けば自然と時間にも目が移ります。

上のサンプルはサンプル1の大小を付けた情報を一行の中にさらに変化を付けたものです。さらに伝わりやすくなっているのではないでしょうか。このように文字に細かな変化を付けることにより、必要な情報に目が留まるようになります。

5W1Hのうち残るはWHY(何のために)HOW(どのように)。これはイベントの詳細情報になります。WHATを見て興味を持った方が、より詳しい内容を知りたくなった場合に必要となる情報です。これはイベント開催日時と同等の重要度の情報です。そして最後は、WHO(誰が)です。これはイベントの主催者の情報、名称や電話番号、連絡先に当たります。この情報も不可欠な情報ですが、他の情報よりは優先度が低くなります。これは参加されるお客様の全てが必要とする情報ではなく、何かイベントについて疑問がある方のみに必要な情報だからです。このWHOの部分は、読める大きさであることは必要ですが、チラシ全体の文字の中でも極力小さく扱ってください。

5W1Hの各要素の優先度によって文字の大きさに変化を付けたのが以下の図になります。

今回のお話はこれで終わりです。理解がし易いように文字だけのお話になりましたが、イラストや写真が加わっても考え方としては基本的には同じことです。伝わるチラシデザインの肝は、1番目立つもの、キャッチ部分でチラシに興味を持っていただいて、2番目、3番目に目立つものへ徐々に視線を移しながら情報を小出しに掴み取っていけるようにコントロールすることです。

毎年この時期はそうですが、またインフルエンザが大流行しているようです。受験生を持つ親としては、病気を家庭に持ち込まないようにさらに締めてかからないといけませんね。それでは。