ウェブデザインや美術系の大学で非常勤講師などをさせていただいている山本です。
このリレーコラムも今回の僕でメンバー全員が書いたことになり、一巡目が終わって一区切り。

さて、毎年1月後半から2月の後半にかけて京都市美術館において、京都にある美術系大学の卒業制作展が開催されるのですが、今年は全面改装中ということで美術館が使えない。その結果、自分が行ってる大学では学内で卒業制作展が開催されることになって、デザイン学部の非常勤でお世話になっていることもあり、日付のうえでは少し前の話になりますが見に行ってきました。

  

1月末に最後の授業が終わった後も何回か大学へは行く用事があったので、久しぶりの印象はなかったものの、見に来ておられる人の多さに驚いた。

交通の便が決して良いとは言い難い場所にある大学での制作展だったけど、見に行ったのが土曜日だったせいもあってか、なかなか盛況。むしろ授業がある普段よりも人が多いくらい賑わってましたな。

学内での卒業制作展は、大学敷地内に専攻ごとに点在する10箇所ほどの建物で展示されてまして、デザイン学部はちょうどいいスペースがなかったからか、体育館で展示。

デザイン学部といっても、イラスト学科、ビジュアルデザイン学科、プロダクトデザイン学科、建築学科と4つあり、僕はビジュアルデザイン学科の生徒さんしか知らないので、体育館に入って一通り見ていくにしても、やっぱりビジュアルデザインの生徒さんの作品をゆっくり見てしまう。

今年の卒業生で、自分の担当しているウェブの基礎授業を受講してくれていたのは2年生の時だったから、もう2年前のこと。
正直言って自分の授業を取ってくれていた生徒さんの顔と名前を全員は覚えてはいないものの、作品のキャプションにある名前を見て「あ〜、はい、はい」と思い出すメンツも多い。2年生の時は自由制作でどんなものを制作しているかも知らなかったし、今後どうなっていくかが想像できない時期だったけど、卒業制作の作品を見ていると「皆さん頑張って作ったんだなぁ」と、ちょっと感慨深かった。

幅広い表現でみんな好きなことをやっているから見ていても楽しい反面、作品数が多いから真面目にじっくり鑑賞するタイプの人にキツかったんじゃないかな。僕は基本的に「さらっと」見つつ、ちょっと気になったら「じっくり」見るスタイルで鑑賞させてもらいましたわ。

ここの2階では産学連携でやったイベント報告や制作物があって、僕個人としてはここの展示が一番よかったな。
しかし体育館自体に入ったのも初めてだったけど、2階に本格的な筋トレマシーンがある部屋があったのには驚いた。そこの設備を使って展示してる作品もあったけど、それはなんかよう分からんかったわ。

次に建物に行ってテキスタイル、その次は版画と日本画が展示してる建物に行って、そして洋画や立体造形と順々に見て行ったのだけど、普段はデザイン学部の入っている建物にしか出入りしていないので、絵画や立体造形など他の専攻の建物に入るのはちょっと新鮮。

外観からは想像つかなかったが、中がスキップフロアになっていたり、使いづらそうな円柱状の空間があったりと、美術大ということもあってかオモロイ教室もありましたな。

ぐるっと学内全体まわって作品を見てはきたのだけど、学生さんの数が多い=作品数も多いので、やっぱり疲れましたわ。当初2時間ほどの滞在予定で出かけたのだけど、実際は倍近い時間を過ごしてしまい、なかなか骨の折れる1日に。でも、いい意味で刺激を受けた気がする。

ネットがらみ仕事でモニタに向かっている時間が多い自分なのですが、たまには実際に足を運んで、なんであれ現物を見るっていうのは、その道中に費やした時間も含めて大事なんだと再確認しました。
(大学内の写真は、制作展後に届け物があって学校にまた行った際に撮ったのだけど、びっくりするくらい人がいなくて静まりかえってました。きっと来月の卒業式までこんな感じなんでしょうな)