3匹の猫の換毛期(抜け毛)でノイローゼになりそうな山中です。
「ペット」という言葉を嫌う人もいますが、家庭でかわいがられて飼われている動物という意味で
野生の動物と区別するため、今回はあえてそう言います。
しかも今回は真面目で面白くないです。
日本はペットを簡単に買える国です。ペットショップに行けば、人気の犬種・猫種がすぐ手に入ります。
でも、そのかわいい仔犬や仔猫、どうやって誕生したか知っていますか?
最近人気の猫種として「スコティッシュフォールド」という猫がいます。
テレビ番組でもよくかわいい猫として取り上げられています。
特徴は、フォールド(=折る)と名前に付くように、ぴょこっと折れ曲がった耳。まあかわいい♥
でもこの最大の特徴である折れ耳、実は骨の形成異常による「奇形」なのです。
それを、人間は「かわいさ」と認識してしまいました。
すべてのスコティッシュの耳が折れている訳ではなく、立ち耳の猫もいます。
スコティッシュの繁殖には、親猫の片方が折れ耳、もう一方は立ち耳でなくてなならないというルールがあります。
なぜなら折れ耳同士を掛け合わせると、折れ耳が生まれやすいかわりに
骨の異常からくる他の病気を発症しやすい仔猫が生まれる可能性が高まるからです。
でも、かわいい猫は売れる。欲しがる人が多い。
そのため、ルールを無視した繁殖を繰り返す悪質なブリーダーや業者がいるというのが現実です。
将来的に病気を発症する可能性が高かったり、折れ耳でもすでに発症していて廃棄処分になったり…
テレビでかわいさだけを取り上げるのではなく、こういう現状も一緒に伝えてほしいと思います。
犬の場合は、品種改良を繰り返した結果、特定の病気になりやすくなったり
「断尾」という悪しき習慣が残っていたりします。
断尾は、文字通り「しっぽを切り落とす」こと。
元々は、狩猟時にしっぽがあると木の枝にひっかかったり獲物にかみつかれたりして危険だから、
などの明確な理由がありました。現代ではもうただの愛玩犬なのに、この犬種はしっぽがないのが
スタンダードだから、と仔犬の時に断尾される犬もいます。何の罪も利点もないのに。
そんな背景のある仔猫・仔犬がかわいくペットショップに陳列されていることもあります。
店員さんに「抱っこしてみますか~?」作戦をしかけられた時、ちょっと考えてみてほしいのです。
その子たちが、どんな環境で飼育されているどんな親から生まれ、どんなルートで今ここにいるのか。
(もちろん、愛情をもってしっかりと繁殖計画を立て、無理な繁殖は一切させない
ブリーダーさんもいらっしゃいます。)
猫も犬も、どんな色や形であれ生まれたままで十分美しい生き物です。
人間が見た目をよくする必要なんてないのです。