酷暑という文字では表しきれない猛烈な暑さが続いております。今夏私は猛暑対策のため日傘を導入しました。使ってみると実に快適で日傘は女性用というのは単なる思い込みや偏見であったのだなと、今まで使わなかったことを悔いております。以前は日陰を選んで歩いてたのが、日傘導入でつまりは日陰を携帯しているに等しいということですね。

さて、「伝わるチラシの作り方」というテーマで続けておりますコラムの第3回目です。1回目は未知の方に伝える「広告」と、関係性のある方に詳しい情報を伝える「お知らせ」との違い(第1回目:「広告」と「お知らせ」)。2回目はチラシが置かれるところ・掲示されるところへ参じてその場所の様子を観察する「現場百遍」(第2回目:「現場百遍」と「ないを探す」)。

前2回はチラシ作りに取り掛かる前にやって置くべき事どもを綴ってきましたが、今回からはチラシ作りの具体的なお話をしたいと思っています。でも、具体的とはいえいきなりレイアウトがどうとかフォントがどうとかという段階にはまだ入りません。伝わるチラシを作るためには、実制作に入る前にこれから自分がどんなチラシを作るのかを整理して考えるプロセスが必要です。それが「ミッション」と「5W1H」です。

「ミッション(mission)」。ここ最近ビジネス用語として使われる事も多くなってきたこの語は、和訳すると使命や任務という意味です。私はチラシ作りにおけるミッションとは、チラシの効果で最終的に何を実現したいと思っているのかだと思っています。チラシの目指す方向や到達点です。伝わるチラシを作るには、まずこのミッションを考えます。その時、年齢、性別、居住地域などの出来るだけ具体的な内容を考えることをお勧めします。「たくさんのお客さんに来て欲しい」というような漠然としてイメージでチラシを作ってしまうと、結果たくさんの集客があったとしても、残念ながら少なかったとしても、一体何が良くて成功したのか何が悪くて失敗したのか、次制作の参考になるような知見が得られないからです。だから「近隣のお客さんが多いので遠方からも集客したい」「もっと高年齢層の方にも参加して欲しい」など出来るだけ具体的なミッションを考えてください。

そして「5W1H」。この言葉は皆さんも1度はお聞きになった事があるのではないでしょうか。5W1Hとは「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」の語の頭文字を取ったもので、これは情報を正しく伝えるための整理のルールを表したもので、これはチラシ作りでも外してはならない基本中の基本となります。

これをイベントの情報に当てはめると、

  • When→開催日時
  • Where → 会場
  • Who → 主催者、共催者など
  • What → イベントタイトル
  • Why、How → イベント詳細

となります。

Whereには会場名の他に地図や、会場まで駅から徒歩5分、バス停から300mなどのアクセスの情報も含まれます。Whoにはメールアドレスや電話番号などの連絡先も含みます。チラシを作り始める前にその中に盛り込む内容を5W1Hに仕分けて、前述のミッションと共にノートにでも書き出して置いてください。伝わるチラシ作りではこれを指針とします。

「ミッション」と「5W1H」の関係。これは料理に似ています。「ミッション」は作ろうとしている料理、例えばカレーだとする。「5W1H」はその材料です。ジャガイモや人参や玉ねぎ、ルー、野菜、肉です。同じような材料を使用しても、分量や切りかた、火加減、投入するタイミングは作ろうとしている料理によって変わります。チラシも同じで、制作の過程で完成像(ミッション)を常に念頭におきながら、材料(5W1H)を適切な処理を施さないといけないのです。

今回の話はここまでです。内容はちょっと当たり前すぎると感じられたかもしれませんね。でもこういう当たり前のプロセスこそ改めて正面から向き合ってみると、案外大事なことを取りこぼしてしていたなと気づくことが多いです。前回の「現場百遍」もそうなのですが何度でもスタート地点に考えを戻してルートを外れていないか考えてみることが肝要です。

次回はいよいよこの5W1Hをどのようにチラシという形に仕上げていくのかのお話をしたいと思います。その頃には少しは暑さが和らいでいると良いんですけどね。私は日傘を活躍させてなんとかこの夏を乗り切りたいと思います。ところで、暑さも辛いですがエアコンのかかり過ぎもカラダにきついですね。私は寝るとき、翌日起きなければならない時刻の1時間程度前にエアコンが切れるように設定しております。エアコンが切れると暑くなってきて自然に目が覚めますし、起床時に適度にカラダが温まって調子良く1日をスタートできますよ。