年末の慌ただしい時期いかがお過ごしでしょうか。個人的には最近は年ごとに年末感が失われているような気がしています。昔のお正月の特別な空気感に比べると、今はいくつかある長期休暇のひとつ。今年も気がつけば年を跨いでいたということになりそうです。

さて特定非営利活動法人やさしいデザインもこの春4月の設立から8ヶ月が過ぎました。振り返れば目標としていたことの10分の1も未だ手をつける事が出来ていないように思います。日々の雑事に追われていると徒らに時が過ぎていくばかり、これからは積極的に一歩前へ駒を進ませなければ。ということで先日開催した年内最後のミーティングで、これまでの総括と今後の活動の方向性を話し合いました。そこで今後の展開の手始めに持ち回りでブログ形式の短文を週1回程度のペースで掲載することになりました。一番手としては、私穂積が担当します。拙文ですがしばらくお付き合いください。

やさしいデザインでは本年3回の「やさしい広報」相談会、また不定期で個別の相談も行なっておりますが、その時に気がついたことをひとつ。

相談会の告知に掲げているコピー「伝えたい情報、大切な情報を、必要な人に伝えたい」。一見広報をするのなら当たり前の事のように思えます。ですが相談を受けていていつも思うのは、「たくさんのお客さんに来て欲しい」「たくさんのアクセスが欲しい」という風に漠然と思っているだけで、どのようなお客様に情報を届けたいのかを突き詰めて考えておられない方が多いということです。

老若男女全ての層に届くたくさんのお客様の心に届くことは理想的なことですが、私は全ての層に効果的に届く広告は無いと考えています。新聞、雑誌、ポスター、チラシ、WEB等々、情報を伝えたい相手により適切な媒体も変わります。また広告の手法も変わります。新しく尖った感じのビジュアルが有効であったり、落ち着いた馴染みあるビジュアルが有効であったり、伝えたい相手の嗜好により広告の雰囲気も変えなければなりません。

広告を届ける相手を見極めること、これを「ターゲティング」と言います。広報を考えるときに「チラシを作ろう」「新聞に載せよう」からはじめずに、先ずどのようなお客様にその情報を伝えたいのかを最初に突き詰めて考えてみてください。今までうまくいかなかったのは、案外伝えるべき相手に届かない方法で広報を行なっていた、なんてこともあるかもしれません。

それでは、みなさま良いお年を。(2017年クリスマス/穂積)

写真/新梅田シティ(大阪市北区)